マイカー通勤手当の非課税枠拡充は、「税金」だけでなく、給与計算・規程・社会保険をまとめて見直すチャンスです!
1 給与計算の設定をアップデートする
通勤手当の非課税限度額は、片道距離ごとに金額が細かく決まっており、今回その上限が引き上げられました。
とくに片道10km以上のマイカー通勤者は、令和7年4月にさかのぼって新しい限度額が適用されるため、4〜10月分の通勤手当について再計算や年末調整での精算が必要になるケースがあります。
このとき、給与ソフトの「距離区分ごとの非課税額テーブル」が古いままだと、本来非課税にできる分に税金をかけてしまったりするリスクがあります。
まずは最新の国税庁の表どおりにマスタを更新し、あるいは確認しちゃんと反映されているか計算をcheckするのが、実務上の第一歩です。
2 就業規則・通勤手当規程の条文を確認する
次に、会社のルール(就業規則・賃金規程・通勤手当規程)を確認します。
例えば、、、
A「所得税法上の非課税限度額の範囲内で通勤手当を支給する」
B「片道◯km以上◯km未満は月◯◯円を支給する」と距離ごとに金額を列挙する
上記Aの場合、法改正に合わせて自動的に支給額が増えることになるため、人件費の増加をどう扱うか、経営としての方針を決める必要があります。
上記Bの場合は、今回の改正に合わせて金額を見直すのか、それとも規程の文言を「税法上の非課税限度額に準じる」といった形に変更するのか、いずれにせよ条文の改定が必要です。
あわせて、マイカー通勤そのものを「会社の許可制」としているか、通勤経路の届出、任意保険加入、駐車場の条件など、安全配慮の条文が現状に合っているかも、このタイミングで点検しておくと安心です。
3 社会保険の随時改定に影響しないかチェックする
通勤手当は、社会保険の計算上は「固定的賃金」の一部として扱われます。
そのため、非課税枠の引き上げに合わせて通勤手当の支給額を増やすと、標準報酬月額が変わり、健康保険・厚生年金の保険料が変動する可能性があります。
具体的には、通勤手当の変更月から3か月間の報酬平均を見て、標準報酬が2等級以上上下した場合、4か月目から随時改定(月額変更届)の対象になります。
今回のように改正が遡及適用され、通勤手当を後からまとめて支給する場合でも、「本来金額が変わった月はどこか」を基準に判断する必要があり、ここを誤ると社会保険料の過不足や事後の修正が発生します。
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