「今日はA支店、明日はB営業所」といったように、日々異なる場所へマイカー通勤する従業員は少なくありません。この場合、通勤手当の非課税限度額をどのように算定すべきか、経理担当者も従業員も悩みがちです。本稿では、国税庁の見解を踏まえた実務運用を整理します。
1 非課税通勤手当の基本
会社が支給する通勤手当のうち、所得税が課されない上限額は片道通勤距離に応じて定められています。例として、片道15 kmの場合の上限は12,900円、25 kmの場合は18,700円(2025年版)。これを超える部分については課税対象となります。(国税庁 マイカー・自転車通勤者の通勤手当)
2 勤務地が日替わりの場合の距離判定
通勤距離が日によって変動する場合でも、「月内で最も長い片道距離」を基準として限度額を判定して差し支えない、というのが国税庁の公式スタンスです。たとえば10 kmの日と25 kmの日が混在する場合、25 km区分(上限18,700円)を適用できます。
同じような発想から月途中で通勤距離が変更となった場合も、「変更前後を比較して長い方の距離に応じた金額」で取扱うことが認められています。(交通用具を使用している者の通勤距離が変更となった場合の非課税限度額)
3 平均計算・日割計算は不要
通勤費の計算となると「日ごとに距離が異なるため平均や日割計算が必要では?」と考えがちですが、上記のとおり最長距離を基準に一括判定すれば十分です。計算が簡素化され、経理処理も明確になります。ただし、非課税限度額を超過した部分は必ず課税される点に注意してください。
4 まとめ
毎日異なる勤務地へマイカー通勤する場合でも、月内最長距離を基準にした非課税通勤手当の取扱いで計算の迷いは解消できます。経理担当者は規程整備と証拠保管を徹底すれば、従業員は所得税負担の最小化を図れますね。