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介護休業制度を正しく理解(不登校の子を持つ親も活用できる) ~仕事との両立を目指すために~

介護休業制度を正しく理解(不登校の子を持つ親も活用できる) ~仕事との両立を目指すために~

介護休業制度は、高齢者だけでなく障害や疾病のある子ども・医療的ケア児にも適用され得る制度であり、不登校の背景に心身の不調がある場合には「要介護状態」に該当し得る余地があります。これまでの介護休業制度は、親の介護や身体的な要介護状態を中心に設計されてきました。       

厚生労働省は、令和6年12月27日に「介護休業制度等における常時介護を必要とする状態に関する判断基準の見直しに関する研究会」を立ち上げ、障害児・医療的ケア児等も念頭に置いた基準の見直しに着手しています。
現行基準は主に高齢者を想定して作られたため、「子に障害がある場合や医療的ケアを必要とする場合には解釈が難しいケースがある」として、要介護状態の判断基準の早急な見直しが課題とされています。

介護休業制度の基本概要

(1)介護休業の目的                                        介護休業は、介護を行う期間ではなく、長期的な方針を決める準備期間としての側面を持ちます。この休業は、最長93日の休業となりますが、その休業の間に対象家族の介護に関する長期的な方針を決める期間と捉えてください。

(2)「介護状態」の基準
負傷や疾病、身体的または精神的な障害により2週間以上の期間にわたり常時介護が必要とされる状態を指します。

◆ 常時介護を必要とする状態の基準 参考URL                                                https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/otoiawase_jigyousya.html                                                        

上記参考URLを元に、厚労省の基準表では、座位保持・歩行・移乗・食事・排泄・着脱・意思伝達・危険回避・問題行動・認知行動上の課題・医薬品管理・日常の意思決定の12項目を「状態1〜3」で評価します。「状態2が2つ以上」または「状態3が1つ以上」という組み合わせに該当し、それが継続すると認められることが、介護休業の対象となる「常時介護を必要とする状態」の目安とされています。  

(3)対象家族の範囲                                                                                              (対象者)                                                                 配偶者(事実婚を含む)父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫となり同居の有無は問いません。

(4)介護休業給付について
 1 負傷、疾病又は身体上、精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護
   (歩行、排せつ、食事等の日常生活に必要な便宜を供与すること)を必要と
   する状態にある家族を、介護するための休業である。
 2 雇用保険の被保険者が、その期間の初日及び末日とする日を明らかにして
   事業主に申出を行い、これによって被保険者が実際に取得した休業である
   こと。                                         上記1,2を満たした介護休業について支給対象となる同じ家族について93日を限度に3回までに限り支給されます。

 3 受給要件について
   介護休業給付の受給資格は、介護休業を開始した日前2年間に雇用保険の
   被保険者期間が12カ月以上必要となります。
    ※ 介護休業開始日の前日から1か月ごとに区切った期間に賃金支払いの
      基礎となった日数が11日以上ある月を1か月とします。

★     不登校の子供への介護休業制度の適用
 不登校とは、学校に行きたくない、家に引きこもっている状態を指します。一見すると病気や障害に結びついているわけではないため「要介護状態」には該当しないように思われます。しかし、不登校の背景には心身の健康問題が隠れているケースが少なくありません。不登校の子供には身体的症状として頭痛、腹痛、倦怠感、心理的症状として憂うつ感などの症状がみられることが多いいとの指摘もあります。不登校の子供をもつ従業員が仕事と家庭の両立に苦しむ結果、業務効率の低下や離職へのリスクがあります。このような状況を放置することは、家庭や企業だけでなく社会全体にとってもマイナスになる影響がございます。
 
(1)不登校の子供への適用可能性
 不登校への子供への適用においては以下のようなケースが考えられます。
① 精神的健康問題による見守りが必要な場合
  上記記載の「常時介護を必要とする状態の基準」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/otoiawase_jigyousya.html  
 上記参考URLより (1)から(12)の介護状態の判断基準の中で
 
    (7)の「意思の伝達がときどき困難」や
    (8)の「外出すると戻れない」といった項目が該当する可能性がございます。
 
② PTSDやトラウマによる支援が必要な場合
 学校でのいじめや人間関係のトラウマが原因で不登校が発生しているケースでは、子供は心理的ケアや治療を必要とする場合があります。
医師の診断を受け、親が心理カウンセリングへの付き添いや日常生活の補助を行う必要性が明確な場合、「常時介護を必要とする状態」として適用が検討されるかもしれません。
 
(2)企業に求められる配慮と責任
 企業は、介護休業を申請する従業員に対して、適切かつ迅速に対応する責任があります。申請手続きがスムーズに進むよう制度の詳細を従業員に周知することが重要です。さらにプライバシーの保護にも細心の注意を払う必要があります。職場内で不必要に共有されないよう情報管理を徹底しなければなりません。また、従業員が介護休業の申出をした場合、要介護状態を証明する書類を提出することが求められます。しかしこの書類の要件が形式的に重視され過ぎると、従業員が制度を利用しにくい状況を招く可能性があります。                                       特に、医療的ケアを必要とするような不登校の子供を対象とする場合、医師の診断書や専門家の意見書がすぐに揃わないことを理由に、企業側が申請を認めないといったケースも想定されます。このような場合、制度運用の基準を厳格にし過ぎず、例えば、スクールカウンセラーや学校関係者による意見書、障害手帳、訪問看護指示書の写しなどを補足資料として認めることで申請手続きをよりスムーズにすることが可能となります。

会社としても労働力不足の中、介護を理由に離職を余儀なくされる社員の損失は小さくありません。      
介護休業を取得させたことで、助成金の活用などを検討することも出来ます。負担が少しでも軽減されるよう、そのような制度を上手く活用しましょう。

           

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