「給与計算、もっとラクにできないかな?」
そんな方に向けて、今回は勤怠管理から給与振込・明細配信・税金納付まで、クラウドと自動化を活用した給与計算の流れをご紹介します。
給与計算には「勤怠」「計算」「出力」という3つのステップがあります。
この流れを知り、デジタルツールとうまく組み合わせることで、作業ミスの防止・月例業務の負担軽減・ペーパーレス化が一気に進みます。
本記事では、弊社が実際に行っているクラウド給与計算の実務画面や工夫を、写真つきで解説しています。
「まずは自分でやってみたい」方が参考にするもOK。
「プロに任せたら、もっとラクかも?」と感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。

給与計算というと、複雑な手順を数々踏んでいく作業というイメージを持たれている方も多いかもしれません。
私はわかりやすく「勤怠」「計算」「出力」の3つのステップに分けて整理しています。
このように分解してみると、「何を準備すればいいか」「どこで手間がかかるのか」など、業務の全体像が見えやすくなります。
Step1:勤怠 「働いた記録」を正しく集める

今回はその3ステップを、写真とあわせてご紹介します。
給与計算の第一歩は、「何時に出勤して、何時に帰ったか」を正しく記録するところから。
こちらは、打刻システム「Touch On Time」の出勤画面。
従業員は出社時にこの画面をタッチして打刻します。
「出勤」「退勤」「休憩開始・終了」など、操作はとてもシンプルで、デジタル苦手世代でも導入が簡単にできそうですね。

出退勤の打刻が終わったら、データはこのように日別・項目別で自動集計されます。
この画面では、出勤・退勤の時刻はもちろん、所定労働時間・残業・休憩・休日勤務・深夜残業など、給与に影響する要素がひと目で確認できます。
特に注目したいのが、集計済みの労働時間が自動で反映されている点。
この時点で正確なデータが整っていることで、次の「給与計算」ステップがスムーズになります。
Step2:計算 ルールに沿って“数字”を整える

勤怠データが整ったら、いよいよ給与の計算処理に入ります。
こちらの画面は、マネーフォワードの給与計算ソフト。
勤怠データを取り込み、あらかじめ設定されたルールに従って、
基本給、各種手当などの支給や各種控除などを自動で計算してくれます。
赤く囲った部分にあるように、他社ソフトやCSVデータからのインポートも対応可能。
今回はタッチオンタイムからインポート。1~2回クリックるするだけで取り込み完了です。

勤怠データを取り込んだ後は、計算結果をしっかり確認・修正するフェーズ。
こちらの画面では、社員の出勤日数や労働時間、それに対する支給・控除の内容が一覧で見られるようになっています。部分的に手入力で修正したい場合などは、この画面から行えます。

チェックの仕方はいろいろありますが、前月比較をして、先月との変更点をみると確認がはかどります。

ExcelやPDFで支給控除一覧を出力できます。確認するためももちろん、最終的な結果の記録をとっておく意味でも大切な作業です。
ここで最終確認することで、「漏れ」や「誤り」を未然に防ぐことができます。
Step3:出力 給与を「届ける」までが給与計算

給与額の確認が終わったら、いよいよ「出力」のステップに入ります。
この画面は、給与の振込データや住民税データをエクスポートできる機能を示したものです。
支給額を銀行振込するためのフォーマットはもちろん、地方税のFBデータ(※金融機関向けデータ)出力もここから一括で行えます。1件1件、手で入力することは手間だけでなく、神経もすり減らすのでできれば簡略化したいものです。
「ミスなく」「手早く」「分かりやすく」。
このステップを整えておくと、締日直前のバタバタがグッと減ります。

給与や住民税の金額が確定したら、あとは銀行へのデータ送信(振込)です。
こちらは、福岡銀行のビジネスバンキング画面です。金融機関によってビジュアルは異なりますが、手順の参考までにご覧ください。
ここでは「一括伝送」から、あらかじめ作成したCSVファイルを読み込めば、一括で給与の振込依頼が可能になります。
あわせて、地方税(住民税など)の納付データも同時に送信できます。ただし、あまり早い時期だと設定ができないこともあるようです。

こちらは、マネーフォワードクラウドでの給与明細の表示画面。
社員はPCやスマホから、いつでも、どこでも明細が確認できます。
紙の明細書は専用用紙を使うこともありコスト高であるだけでなく、準備する時間にも人件費が発生していることを考えると、隠れたコストともいえるでしょう。
なお事前の設定が済んでいれば、明細書送信のための手順はありません。
こういった手間がかからないのも大きなメリット。
紙明細と違って、紛失の心配もなく、いつでも見返せるのも安心ポイントです。

給与振込や明細配信が完了したら、最後に所得税(源泉税)の納付手続きです。
この画面は、e-Taxを使った源泉所得税の申告・納付フォーム。
支払年月日や金額を入力していくだけで、簡単に電子申告・電子納税ができるようになっています。
給与計算システムで集計された税額をそのまま転記すれば、紙の納付書を使うことなく、税務処理までワンストップで完了します。
最後に
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
デジタル化を進めれば、紙を一切使わずに給与計算を最初から最後まで進めることが可能です。
この給与計算は、単なる「数字の処理」ではありません。
勤怠管理の方法、就業規則の整備、社会保険などが反映される大事な業務です。
社会保険労務士法人グッドアローズでは、給与計算の代行だけでなく、その前提となる就業ルールの見直しや、クラウドツールを活用した業務効率化のご提案も行っています。
私たちの理念は、「働くを楽しく、いきいきとした職場へ」
給与計算の見直しをきっかけに、職場全体が少しでもラクになり、社員のみなさんが安心して働ける環境づくりにつながればと思っています。
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