今年も 10 月の発効に向けて最低賃金改定の季節が迫って来ました。今月22 日には厚生労働省で中央最低賃金審議会の会議が開かれ、労働者側は「物価高で生活は限界。昨年以上の大幅引き上げが必要だ」と訴えた一方、企業側は「価格転嫁が進まず、米国の追加関税の行方も不透明。過度な引き上げは経営を圧迫しかねない」と慎重姿勢を示しています。
最低賃金が決まるまで
最賃が決まるプロセスを簡単に振り返ります。まず夏に中央最低賃金審議会が全国をA・B・Cの3ランクに分けて引き上げの“目安”を示します。目安が出た後、各都道府県に移り、地方最低賃金審議会が地域の物価や雇用情勢を踏まえて都道府県労働局長へ答申します。最後に労働局長が告示し、多くの県で 10 月上旬に新しい最低賃金が発効されています。
1500 円時代へのカウントダウン
政府は「2030 年代半ばに全国加重平均 1500 円」を掲げています。仮に目標達成に向けて毎年 40~50 円ペースの上げが続くとすれば、企業側は人件費の伸びを前提にした対応が必要になります。人件費の捻出を考えるためには、価格転嫁だけでなく、生産性向上もふくめて戦略が欠かせなくなるでしょう。
福岡県の推移
福岡県の地域別最低賃金は昨年 992 円(+51 円)に達し、この 10 年で 743 円から 249 円上昇しました。労働局にUPされている資料ですが、こちらもご参考までに。