令和7年4月1日から施行される「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」に基づく雇用保険法の改正が、企業の労務管理にも影響を与えることでしょう。特に注目されるのは、夫婦共に育児休業を取得する場合や育児短時間勤務を行う際の給付制度の導入です。
新設される主な給付には、「出生後休業支援給付」と「育児時短就業給付」があります。これらは従来の育児休業給付に加えて提供され、育児支援の体系を一層強化することを目指しています。
出生後休業支援給付金の概要
出生後休業支援給付金は、夫婦がともに育児休業を取得し、その期間が14日以上である場合に支給されます。この給付は、出生直後の育児参加を促進するためにつくられており、受給資格を得るためには、原則として休業開始前の2年間で12カ月以上のみなし被保険者期間が必要です。
育児時短就業給付金の概要
また、2歳未満の子を持つ被保険者が育児のために時短就業を行う場合に支給される育児時短就業給付金も新設されます。これにより、子育てと仕事の両立を支援し、特に育児休業後の職場復帰をスムーズにするための措置となっています。給付の対象期間は、育児時短勤務を開始した日の属する月から終了した日の属する月までと定められています。
まとめ
これらの改正は、労働者にとっては受け取れる給付の範囲が広がるというメリットがある一方で、事業主には新たな手続きの適用や管理の必要が生じるため、準備が求められます。特に、育児休業給付金と併せて、出生後休業支援給付金を受け取ることで、休業前の約80%の収入が保障される計算となります。
80%とはいいますが、給料とは違って給付金には所得税も社会保険料もかかりませんから、手取りでいうと、ほぼ補償は100%といえます。
このように改正雇用保険法は、働く親にとってより柔軟な働き方を可能にし、子育て支援を強化するものです。事業主はこれらの変更に対応するため、具体的な制度内容や手続き方法を理解し、適切な対策を講じることが重要です。詳細は省令を待つ必要がありますが、今後も新制度スタートに向けて注目していきましょう。