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2024年問題(運送業の残業問題)1/3

関係のない業種であれば、関心は薄いかもしれませんが、運送業はじめ自動車運転者を扱う業界にとっては頭の痛い問題である、いわゆる2024年問題についてまとめていきます。

●働き方改革

コロナのパンデミックによって霞んでしまった感もありますが、働き方改革が2019年より本格的に働き方改革がスタートしています。本来であれば残業の上限規制をはじめ、種々対応を迫られ苦労するはずでしたが、コロナ禍によって社会活動自体が制約を受けそれどころではなくなってしまいました。

働き方改革は長時間労働の解消、正規・非正規雇用の格差是正、多様な働き方の実現と多岐にわたりますが、その柱の一つが残業の上限規制となります。 大企業は2019年から、そして中小企業は翌年の2020年から施行されていますが、一部の事業(業務)についてはさらにその先の2024年まで猶予期間が設けられています。 2024年問題とはこの猶予期間が満了することにより、いよいよ対応を迫られる運送業界の課題を指しています。

●トラック運送の残業実態

厚生労働省の資料によるとトラック運転手の超過実労働時間数は全産業平均10時間の約3倍程度あり、業界的に長時間労働の傾向があります。そういった背景もあり、建設事業、医師、と並んで適用猶予の事業・業務になっているようです。

参考資料1 改善基準告示見直しについて(参考資料)

●残業の基本

意外かもしれませんが、残業させること自体が本来違法な行為です。

労働条件の最低基準を定めた労働基準法32条で1日8時間、1週40時間を超えて労働させてはならないことになっているので、これを超過することは違法です。

この制約をクリアするためにいわゆる36協定を締結し、労働基準監督署長に届出ることになります。 その他、通常の勤務より割増の賃金、時間外割増賃金を支払うことも法令上必要となります。

●上限規制

あらためて働き方改革の柱、長時間労働の是正のひとつ残業の上限規制についてみていきます。

以下の内容は適用猶予を受けた自動車運転業ではなく、一般的な業種に当てはまる内容です。 これまでも残業の制約はあったものの、その根拠は大臣告示という法律よりも緩いもので、実質的には残業時間の上限はなかったといえます。

2019年4月(中小企業は2020年4月)からは・・・ 年間720時間以内(残業) 複数月平均80時間以内(残業+休日労働) 月100時間未満(残業+休日労働) のルールが適用され、違反した場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。

「月100時間以上残業させてはならない」というだけであれば、管理も簡単ですが、そうもいきません。年間の上限もそうですが、複数月平均80時間以内は調整が困難です。2か月平均、3か月平均・・・6か月平均まで取って超過することがNGなわけですから、80時間を超える月が1回でもあれば継続して観察していく必要があります。

さらにいえば45時間を超える月は年間6回までですから、このルールも踏まえれば、余計に難しくなります。

いったんここまでとしまして、2024年問題の本題については次にしたいと思います。

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