特定適用事業所(社会保険加入者が51人以上の企業)において、短時間労働者であるにもかかわらず、入社時の資格取得届やその後の区分変更届で「一般被保険者」のまま手続きしてしまうと、実務上の不利益が生じるおそれがあります。特定適用事業所では、本来「通常の労働者⇔短時間労働者」へ雇用形態が変わった時点、または入社時に週所定労働時間が20時間以上の短時間労働者として加入する際に、被保険者区分を正しく「短時間」にしておくことが重要です。
標準報酬月額の改定(いわゆる月額変更)では、通常の労働者の場合、算定対象となる3か月それぞれで、月のおおむね大半の所定労働日に出勤していることが前提とされます。目安として、所定労働日が月20日前後であれば「17日以上」、所定労働日が月15日前後であれば「11日以上」といったように、一定以上の出勤日数が求められるイメージです。
3か月の内、一月でも一般の労働者であれば「17日以上」の出勤日数に満たなければ月額変更の対象になりません。
短時間労働者も同様に一月でも「11日以上」の出勤日数に満たしていなければ、対象になりません。
短時間労働者は、そもそもの所定労働日数が少ないため、1か月あたりの出勤日数も当然少なくなります。にもかかわらず区分が「一般」のままだと、通常の労働者と同じ基準で出勤日数を判定され、「出勤日数が足りない」と判断されて月額変更が認められないケースが生じやすくなります。その結果、保険料負担と実際の働き方が乖離し、将来の年金額や各種給付にも影響が出る可能性があります。本人・会社ともに予期せぬ負担やトラブルを避けるためにも、入社時・雇用条件変更時の段階で、区分を適正に「短時間労働者」として届出しておくことが不可欠です。
