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在宅勤務手当と残業計算

在宅勤務手当と残業計算

 コロナ禍にテレワークが流行り、今は再び出勤スタイルに戻りつつあるとも聞きますが、今回はこの在宅勤務の手当に関するお話です。

 今年4月に厚生労働省労働基準局長より都道府県労働局長あてに、残業計算における在宅勤務手当の取扱いについて、通達が出されています。

 原則からいえば、在宅勤務手当も残業計算の基礎に含まれるわけですが、除外してもいい基準が示されていますので見てみましょう。(割増賃金の算定におけるいわゆる在宅勤務手当の取扱いについて

割増賃金からの在宅勤務手当の除外基準

 在宅勤務手当が実費として支給される場合、その手当は割増賃金の計算から除外できます。具体的には、労働者が実際に支出したコストを明確に示し、その範囲内で支給された手当は割増賃金の基礎から外してOKということです。

 ルールを明確にしないといけませんから就業規則等で計算方法を明示し、さらにその計算が実態を踏まえた合理的な内容になっていることが必要になってきます。

 ですから例えば、一律毎月5,000円とかにしていると、NGとされることもあり得ます。手当を払う分には構わないけど、割増計算の除外はできません。

計算の厳密さは?

 実費弁償として認められるためには、在宅勤務にかかった具体的な費用(例えば、事務用品の購入費や通信費、電気料金など)がしっかりと明示され、その範囲での支給が確認される必要があります。

 国税庁HP「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」にも計算の参考が載っています。

睡眠時間や労働時間をおよその数字で求めて、計算を進めていっていますが、このレベルで計算するように求められます。最後に(注)がありますが、これは一例でもっと緻密に求めてもいいですよ、となっています。ハードルは低くないですね。

手続きの透明性と労使協議の必要性

 この通達の内容に基づいて、在宅勤務手当の取り扱いを変更した場合、労働条件の不利益変更に該当することもあり得ます。そのため、変更を行う前には法的な手続きを遵守し、十分な労使間の協議が行われることが不可欠です。こうした透明性が、労働者と企業双方にとって公平な環境を保つために重要になりそうです。

 この新ガイドラインは、テレワークが普及した現在、企業が在宅勤務とそのコストを公正に扱うための明確な基準を示してくれています。現実には、除外することは難しいようにも感じますが、この基準で除外する場合は適切な対応を行い、労働者に安心して働いてもらえる環境を整える良い機会にするように心がけましょう。

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