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「無断録音」はどこまでセーフ?従業員を守るための録音の話【2026年10月カスハラ対策義務化へ向けて】

「無断録音」はどこまでセーフ?従業員を守るための録音の話【2026年10月カスハラ対策義務化へ向けて】

2026年10月1日から、改正労働施策総合推進法により、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策がすべての事業主の「義務」になります。

厚労省の指針には、カスハラへの対応例として「顧客等とのやり取りを録音・録画すること」が明記されており、録音は従業員を守るための重要な手段として位置づけられました。

録音・録画自体は大丈夫としても、「無断で」となると、「お客様に知らせずにこっそり録音しても大丈夫なのか?」という疑問もわいてきます。
この「無断録音」は、盗聴にあたるのか、違法になってしまうのか?この点をカスハラ対策の視点から整理しておきましょう。

結論から言うと、従業員が会話の当事者として、自分を守るために行う無断録音は、原則として違法ではないと考えられています。

日本の裁判例では、詐欺被害を疑った人が相手の説明を録音していたケースなどについて、「相手の同意を得ない録音であっても違法ではなく、証拠能力は否定されない」と判断したものがあります。

ハラスメント事案でも、被害者が秘密裏に録音した音声が証拠として認められた例があります。

ポイントのひとつは、「録音している人が会話の当事者かどうか」です。
当事者ではない第三者が、部屋の外から盗み聞きするような録音は、プライバシー侵害として問題になりますが、従業員本人が、暴言や威迫にさらされている状況で自己防衛のために録音することは、許容されると考えられます。

もっとも、録音したデータを社外にばらまく等の行為は別問題です。
SNSにアップしたり、相手の氏名や顔がわかる形で公開すれば、名誉毀損やプライバシー侵害に発展する可能性があります。

録音は「会社に相談する」「事実関係を確認する」「必要に応じて警察や弁護士に相談する」ための材料として使うのが基本であり、外に出さないことが大原則です。

2026年10月以降、カスハラ対策は「会社の義務」になります。
録音を従業員個人の自己防衛に委ねるのではなく、会社として「録音・記録をどう活用するのか」「データをどう管理するのか」をルール化しておくことが重要です。

現場の従業員が安心して働けるように、録音をタブー視するのではなく、「従業員を守る正当な手段」として位置づけていくことが、これからのカスハラ対策のポイントになっていくでしょう。

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